青の空 第18話 「Pマート」






「コージ、俺たち何時から説教されはじめたっけ?」





「え〜8時半くらいですかね?」





「今何時ですか?」





「12時半です」




「では問題です。何時間あの部屋にいましたか?」





「12−8=4時間です」





「正解!」







「おれたち授業受けなくていいの?」






「ますますバカになったらどうすんだよ」





「授業受けてても聞いてないでしょ?どうせ」





「まあ、確かに」




「じゃあいいか。」





「でもノブ、今日の2時間目体育だったよ」





「なっ!?....ちくしょう...!」






「悔しいです!!」






4時間にも及ぶ説教を受け、親も呼ばれる始末。





元気の無い俺のためにゲーセン行こうと言ったコージ。


本当に申し訳ない事をしたと思った。




「お前に一つ借りが出来たな」





「は?何が?」





「いや、何でもないや」














放課後。




おれとコージはコンビニにいた。




カップラーメンを食べ、雑誌を立ち読みし、いつまでもいる迷惑な客だ。





「お前らー!深夜にゲーセンにいて補導されたんだってー!?」




とても楽しそうに話しかけてきた30代半ばくらいの男は

このコンビニ「Pマート」の店長だ。


ひょうきんな性格で、学生達にP兄の愛称で慕われている。





「なんだよP兄」




「なんでそんなに嬉しそうなんだよ」





「バッカだなーお前ら!」



P兄はゲラゲラ笑う。





「そうだP兄、おれのチャリの後ろブレーキが全然効かないんだよ、直せない?」





「ああ?ちょっと持ってこい!店の中に入れろ!はい、ピットイン〜」





「ここのとこ閉めれば効くようになるぞ〜、きったねえなーおまえのチャリ」





「P兄、お客さん。」






「はい、いらっしゃいませー!」










最近はいつも時間を忘れてPマートにいる。








なんでもできる器用さと少年のような心を持つP兄といると退屈しなかった。










「P兄、おれ高校卒業したらPマートで働くわ!」




「いらねえ〜お前みたいなバカは〜!」







「なんでよ!こんなにPマートの事好きなのに」







「はい、もう店閉めるぞ!いつまでいるんだよお前ら!帰れ!」







「やだね〜」






「P兄アイス買っていい?」






「もうレジ閉めたっつうの!」







「そこをなんとか!P兄の権力で一つ!」







「うるせえっつうの。はい、105円。」





「いえーい」






「お前ら、youtubeって知ってるか?」




「なにそれ?うまいの?」






「動画を見るサイト。これがおもしれーんだよー。これがな.....」




P兄はノートパソコンを取り出す。





「おー!すげーー!!」







「警察きた!!こっちに隠れろお前ら!!」







「え!次捕まったら終わりだ!!」







「うそでした〜」






「はあー!?くそP兄!!ハゲ!!」










結局店を閉めた後もしばらく、
暗くした店の中で3人は楽しく過ごしていた。







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